もしかしたら、少しずつ。

少しずつ、何かが私たちを変えてきているのかもしれない。

「じゃあ勝手に解釈しておきます。千景の分まで文化祭楽しんであげますね」

「おー、そうしてそうしてー。もう来週の話だもんね」

そういいながら、再び本に視線を落とした千景から視線を外し、ケーキを口に入れた。

やはり甘い味が広がる。

文化祭、か。
もう少しだよね。

そんなことを思いながらもう一口入れた。