「私は、別に」 「じゃあ、これはなに」 そういうと葵は私の目にたまる水滴を指先で拭った。 「雨とでもいうの?ねぇ、俺怒ってんだよ?」 私はもう一度しっかりと葵を見つめた。 「俺とか特に信用ないと思う。実際探ろうとしてんだし言い訳はしない」 「だから、ほかの誰かでいい。誰かでいいから頼りなよ!」 そういう葵は少し悲しそうだった。