女子たちに捕えられたゆみりは、ボロ泣きしていた。
「うわぁぁん、ごめんなさぁぁい」
うぐ、と喉が詰まる俺に対し、駿介はスッとハンカチを差し出す。
みるみるうちにゆみりの顔はポッと赤くなる。
ちょ、ゆみり! お前、俺のファンだろ?
なんで駿介に対して速攻で乙女モードになってるんだよ!
「どうして変な噂、流したの? 良一はそういうことするヤツじゃないでしょ?」
駿介が優しいボイスを発すると、ゆみりはゆっくりと話し出した。
「だって、良一さん、わたしとのこと考えるって言ったくせに、めちゃくちゃ可愛い高校生とイチャイチャしてたから……」
――は?
それって……アリサのことか?
聞くと、昨日すぐ帰ったかと思いきや、その後の俺の様子を確かめに戻ってきて、
俺とアリサのやり取りをばっちり見た、とのこと。
「は? いちゃいちゃしてねーよ。あいつはただの幼なじ……」
と俺が言いかけたところで、駿介に止められた。
「イチャイチャって、どんな感じだったの?」
「仲良さそうに話したり、頭なでなでされたり」
「へぇ」
「それから家に2人で入っていって。あ、わたし、だまされんだって悲しくなって」
「だからウソの噂、流したの?」
「はい……」
「そっか。……良一。それはお前が悪いぞ!」
――えええええ!?
駿介氏……お前もそっちの味方かーーー!?