中学3年生になってすぐに、

修学旅行in京都というイベントがあった。



地主神社という、縁結びの神様として有名なスポットに俺らは来ていた。


目を閉じたユージは両手を前に出し、ゾンビのようによろよろと歩いている。



「ユージ、あと一歩! そう、そのへん」


「うおぉ、俺いけた! 彼女できるかも!」



ユージはそう言って、ゴールである背の低い石をなでなでした。



「なぁ良一もやってみろって!」


「ちっ、しょーがねーな」



なぜか俺も『恋占いの石』とやらにチャレンジすることに。



それは2つの対になった石で。


目を閉じたまま、片方の石からもう片方の石にたどり着くと恋愛が成就する、とのこと。



ぎゅっと目をつぶり、一歩一歩、前へと足を進める。



「良一、後ろ! 後ろー!」


「何で後ろなんだよ! てかお前ら余計なこと言うな!」



ちなみに、まわりのアドバイスをもとに石にたどり着いてしまうと、

恋愛も誰かのアドバイスによって叶うことになるらしい。



石と石の間はおよそ10メートル。


結構歩いたし、このへんか? よし。