しかし――



「何だ? この点数は。95点って。間違えたここ、すぐ分かるミスだろうが」


「はい……すみません」


「謝るヒマがあるなら考えろ! 次100点取るにはどうしたらいいんだ?」


「次は、テスト時間いっぱいまで見直しします」


「お前はいつも口だけだからな。いい加減結果で出せ! そういえばサッカーの方はどうなってるんだ?」


「先輩が多くてレギュラーにはまだ……。でも楽しくやってます」


「何が楽しいだ! ふざけてるのか? 目標もなく続けるくらいなら辞めさせるぞ!」



などと、サラリーマンも給料捨てて逃げ出したくなるレベルの、スーパー激詰めタイムが時々発生する。

(いわゆる説教タイム)



何を言ってもすべて俺が悪いことになるため、


言われたことを受け流し、解放される時を待つだけ。



だけど、右耳から左耳に言葉が流れていく途中には、いろんなフィルターがあるようで。


親父の言葉は毎回俺の心に黒いもやもやを落としていた。