しばらく、アリサと顔を合わせない日々が続いた。


のぞむがアリサの家に来ることは、たぶん無かった。少なくとも俺は見なかった。



ある日、可愛い女友達を引き連れて歩く、アリサの姿を学校で見かけた。



「はぁ~今日もアリサ様かわいいでしゅね。まわりの女子も可愛いけど、やっぱりダントツっしょ」



アリサファンであるユージは興奮していたが。


俺は微妙に冷めた目で、彼女を見てしまっていた。



「あんなの無理やりカワイイを押し売りしてるだけだべ。くっだらない」


「どーしたの、良ちゃん。あんなにも芸術的に美しい女子なんてそうそういないじゃん。もしかして、お前彼女でもできたの?」


「できてねーよ!」



そりゃあ俺だって彼女、そろそろほしいよ。


友達の何人かはできてるし。



だけど、無理やり作るもんじゃないと思う。好きだなって思うヤツができたらでいいと思う。


今のアリサと同類にはなりたくない。