自分の大声がまわりの家にぶつかって、もどってきた。
キョッキョキョキョキョ、とあざ笑うような鳥の鳴き声も聞こえてきた。
目が合わないよう、必死になってアリサを包み込む。
あーーーーやっぱ逃げたい! でも、アリサを離したくない!
必死俺が脳内でそう叫びまわっている。
しかも――
祖母『良一、おめぇ、よんぐ言ったな! ほめてやるわ!』
母『あらーやっぱりそうだったのね。つりあわないって思ってたけど、やっぱりそうだったのね』
アリサ母『良一くんなら安心してアリサを任せられるわよ』
アリサ父『え、アリサ……良一くんとそんな関係だったのか!?』
なぜか、家のババァチームと、アリサの両親の声まで脳内に聞こえてきた。
ああみんな出てくんな! 脱線すんな俺!
混乱のあまり、ぎゅっと目を閉じたままにしていたが。
「りょ、良ちゃん、顔、上げて」
アリサの慌てた声が体から伝ってきて、我に返った。
あることに気がつき、急いで左右を見回す。