「心配なんだよ。お前だって1人だとすぐ悩むじゃん。流されるじゃん」
「うん。でも、このままじゃ嫌だから。良ちゃんがいなくても大丈夫な人になる」
「…………」
言葉が喉につっかえて、出てこなくなってしまう。
どう伝えても、アリサは意志を曲げないと思ったから。
曲げてほしくないとも思ったから。
意味の分からない理由で、俺の想像を超えてくる。
アリサはやっぱり届きそうで、簡単には超えられない、そんな存在でいてくれる。
でも、一緒にいたい。
そのためだったら、幼なじみなんて関係、ぶっ壊れてもいい。
「俺が、お前のそばにいたいんだよ」
自分の声が弱々しく、かつ、震えていたことに驚いた。
――なんだこれ。マジだせぇ。俺、完全にだだをこねるガキじゃん。
アリサの言う通り、俺は変わっていないのか。子どものままなのか。
恥ずかしさが込み上げてきて逃げ出したくなったが……
『おい良一、今、余計なこと考えるな! 自分の気持ちをぶつけることに集中しろよ!』
欲望俺でも冷静俺でもない、成長俺がそう制してきた。
ちなみに本心俺がすぐ後ろでスタンバっている。
そうだ、答えろ本心俺!!
今の気持ちを素直に言葉に表すとしたら……。

