俺に彼女ができないのはお前のせいだ!




それからアリサのリクエストでビルの屋上にある有名な水族館へ行くことに。



たて・よこ・ななめ全てに人が行き交う歩行者天国の道を進む。



まあ、いろいろあってすげーと思うよクソ大東京。


でもどこ行っても人多すぎるわ! お前ら他にやることねーのかよ!



ビルの入り口らしきエスカレーターを発見したため、


隣にいるはずのアリサに話しかけようとしたが。



「あれ?」



再び彼女の姿を見失ってしまった。



今日のアリサは、オフショルダーの白ブラウスにピンクのギャザースカート。


黒髪とのコントラストもあいまって、人混みの中でも目立つ。



急いで後ろを振り返る。


すぐにアリサのつやつやの黒髪を見つけることができた。


どうやら人混みの中に置いてきてしまったらしい。



しかし、よく見ると――



「1人? 待ち合わせ?」


「すげーかわいいじゃん。高校生? 大学生?」



あーまたナンパされてるのかよ! それとも怪しいスカウトか?


可愛いとはいえしょせんお前も田舎者だろーが。都会に染まったクソ男にホイホイひっかかってんじゃねーよ。



ずかずかと俺はアリサのもとへ近づいた。んが。


ナンパ男たちにギロリと視線を向けられてしまう。うーわ、都会の男、怖っ!



「……一緒に来てるんで」



ビビりながらも俺は軽く会釈をしてから、アリサの手を引きその場を離れた。