間もなく、扉がガラガラと開き、
「良ちゃん、タクシー来たよ!」というアリサの声が聞こえてきた。
ばくばくと嫌な鼓動が鳴り響いていたけど、
アリサの声が聞こえた瞬間、少しだけ心が落ち着いた気がした。
「この距離くらい自分で歩けるわ!」
「しんどいでしょ? いーからつかまってて」
立ち上がるのがつらそうだった祖母をおんぶして、廊下へと出る。
思ったよりも軽くてびっくりした。
「はぁ。本当大げさだよ」
「年寄りの風邪は何があるか分かんないじゃん」
「年寄り言うな! 年の割には若い方だっ……ゴホッ」
ぎゃーぎゃー言い争いをしながら進むと、
「もう、良ちゃんのバカ! 言葉考えなよ!」
と玄関にいるアリサに怒られてしまった。
「おばあさん、大丈夫? 無理に喋らなくていいですよ」
アリサも祖母の背中をさすりながら、一緒にタクシーに乗ってくれた。

