母から『今朝、お義母さんが具合悪そうだったから早く帰ってきて』とラインがあったため、
うるさいユージ&駿介コンビをふりきり、家に帰った。
「ただいまー」
ガララッと玄関ドアを閉めると、苦しそうな咳の音がした。
母はまだ帰ってきていないらしい。
コンコン、と祖母の部屋をノックした。
「ばーちゃん? 入るよ」
返事を待たずに扉を開ける。
祖母は冷えピタを額に貼ったまま布団にくるまっていた。
「…………良一か? 早いね」
食卓でお酒をあおりながら、母とわいわいしているいつもの様子とは正反対。
目はうつろで、声も弱々しい。
こんな祖母の姿は初めて見た。
「風邪? 大丈夫?」
「そんな心配されるようなもんでねぇ……ゲホッ、ゲホッ!」
「あーもう黙ってて。冷えピタ変えるよ」
まだ孫に世話になる年じゃないとぶつくさ言っている祖母を無視して、部屋に入る。
カーテンが閉じられたままの薄暗い部屋は、むんと湿気がただよっていた。
祖母の浅い息遣いと、苦しそうな咳の音が、
不気味なほど部屋に響いている。
薬の箱は開けられておらず、
母が準備したらしいおかゆも冷たくなっていた。
ペットボトルの水も減っていない。
――これ、本当に大丈夫なのか? やばくないか?

