「うわぁぁぁ!!」



――がばっ!



上半身を急いで起こし、顔を左右に振る。


どこをどう見ても、ここは真っ暗ないつもの俺の部屋だった。



な、なんだ。夢か……。



くそ。なんなんだよアリサのやつ!


夢にまで出てくんじゃねぇ!


しかもべたべたべたべたくっついてきおって!



「はぁーーーー」



髪の毛をかきまぜ、気持ちを落ち着かせてから再び横になる。



しかし……。



『良ちゃん、大好き……大好き……大好き……(←エコー)』



ああああ思い出すな俺!


しょせん夢なんて無意識だ。すぐ忘れるんだ。さっさと切れろ俺のシナプス!



「…………」



ちくしょう、眠れねぇ……。


あ、そうだ! こういう時は親父の夢を見よう。


気持ちがたるんでるから、こんなふしだらな夢を見てしまうんだ。


ほらほら、出てこいクソ親父!



ふっと意識が途切れそうになった時。



『……一、良一!』



『はっ!』



『お前なぁ、また最近生活がだらけてるぞ! 裕子も母さんも働いているのに、家事もほとんどしていないじゃないか。成績も伸び悩んでいるようだな。今の高校なら簡単にトップになれるだろうが! バイト代も遊びにばかり使っていないで予備校代にしろ! そういえば、将来のことはちゃんと考えているのか?』



――待て待て待て情報量が多すぎてついていけねぇ!


すまん親父、やっぱ今は来るなぁぁ!