死んだ兄弟って…………犬かよっ!


と突っ込みを入れたくなったが、


ペットロスという言葉もあるくらいだし、可愛がっていたペットを亡くした悲しみは計り知れないものがあるのだろう。



「すみません。本当に亡くなってたんですね」


「ううんううん。誤解を与えたのは私だから。あと、良一くんってお父さん亡くしてたんだ。そっか……軽々しく『死』って口にすることじゃなかったね。ごめんね」



しかし、ここでわきあがったのはある疑問。


弟(名前:ジョニー)はたれ目気味な顔だ。


俺、どっちかというと目は鋭い方って言われるんだけど……。



「でも。これ、似てますか? 俺と」


「うん。特にこのへんが」



エナさんは手を伸ばして俺の髪に触れてきた。


伸びた前髪が横に寄せられる。



――げ。やべぇ!!



俺は顔を揺らして必死に抵抗した。



説明しよう!


俺は前髪をのばしたため、バレないだろうと思い眉毛の手入れをサボっていたのだ。


そのせいで、眉毛が若干たれ気味になっていた。


バレていたのか。最悪だ……。



「あははっ、その反応も似てる~。やばーい」


「…………」



恥ずかしさを隠すべく、前髪を直して黙り込んでしまう俺。


そんな俺に構わず、エナさんはキャッキャと笑っていた。