「アイスカフェモカ、テイクアウトお願いしまーす」
「かしこまりましたー」
空いてる時間帯になり、他のバイトが順番に休憩に入る。
そんな中、接客中のエナさんの後ろでせっせと働く俺。
「左側にずれて少々お待ちくださーい。次のお客様どうぞー」
「おまたせしました。アイスのカフェモカです。ありがとうございましたー」
エナさんと俺の息はぴったりだ。
仕事だが、注文が入るたびにエナさんの役に立てている気がしてテンションが上がる。
「宇治抹茶ラテ」が、「ウチ、めっちゃ好きやで」に。
「アイスティー、ダージリン」が「愛してるダーリン」と脳内で変換される。
……ってアホか俺。
1人でクオリティの低い空耳アワーをくりひろげるほどに、俺は浮かれていた。
ああ、エナさん。いっそ俺のことをテイクアウトしちゃってくださいっ。
「ねーねー。柳井くんって今日何時上がり?」
お、これは来たか、お誘い!!
「6時あがりっす」
「本当? 私5時終わりだから、待ってていい?」
――マジすか? じゃあ俺、具合悪いって言って1時間早く上がっちゃいますよ!
というクズ発言はしないでおいて。
「あ、はい……」と普通に返事をした、
その時だった。
同世代らしき男女の軍団が店に入ってきたのは。

