今までたくさんの男の子に告白をされた。


彼氏もたくさんいた。



『アリサちゃん、かわいい』


『アリサ、好きだよ』



みんな、女の子だったら誰でも喜んでくれるような甘い言葉をかけてくれる。


それに、あたしも『ありがとう』とか『嬉しい~』と応えて。



付き合い始めの頃は、いつも幸せだった。



『あたしも大好きだよ』


『キスしていい?』


『うん……』



カラオケでラブソングを歌ってる時と同じ感覚。


恋っていいなぁ、楽しいなぁ、みたいな。



でも、次第に気がつく。


あたしと相手の好きの温度差に。



何かが違う、という思いが湧き出してくる。


それから気持ちが一気に冷めていく。



だから。



『何。また新しい彼氏できたの? 俺すげーにらまれたんだけど』


『どーせ無駄に可愛いから無駄にモテるだけでしょ?』



ことあるごとにムカつく言葉をぶつけてくる良ちゃんだけが、確かなものだった。



良ちゃんと一緒にいれないのは、苦しい。