ひと眠りしたら、もう夕方だった。



よろよろと1階に降りて、冷蔵庫を開ける。


お茶を飲んでも喉はカラカラのまま。


スポーツドリンクが飲みたいし、おかゆを作るのもだるいし、コンビニに何か買いに行こうかな。



そう思って、パーカーをはおり玄関のドアを開けると。



「あ」


「あ」




忌引き休みを終えた、

学校帰りの良ちゃんとはち合わせた。



熱のせいでいつもより早い鼓動が、さらにスピードを増す。



良ちゃんは自転車を止めてから、


「学校、休んだの?」とぼそりと聞いてきた。



「うん。ちょっと具合悪くて」



くらりとめまいがして、後ろに一歩よろけた時。



「危な……っ」



アスファルトが蹴られる音とともに、


良ちゃんがあたしの腕をつかみ、もう片方の手で背中をささえてくれた。



近くで重なった視線の先、


心配そうな顔をあたしに向けている良ちゃんがいた。



「あ、ありがと」


「……熱い。これかなり熱あるでしょ。何、外出ようとしてんの?」


「家にあたししかいないから」


「だったら連絡しろよ」



冷たい口調だし、思いっきりにらまれてはいるんだけど、



なんでだろう。


体がもっと熱くなる感覚がした。