「美鈴……、ごめん。ごめんね。美鈴を守りたいがために、何よりも大事な美鈴を僕が傷つけてしまった」
「……ん」
颯ちゃんの胸に顔を押し付けられているため、彼の表情がみえない。
でも声が震えているのは分かる。
「美鈴、僕は君を子どもだと思ってないし、これからもそんな風にはみれない」
「……うん」
颯ちゃんの悲痛な叫びに相槌を打つことしかできない。
「美鈴は僕にとって何よりも大切な女の子だから、子どもになんてみれないよ。大好きなんだ。愛してるんだ。
僕と美鈴の愛の重さが釣り合っていなくても、僕は美鈴を離すことはできない。ごめんね、美鈴」
颯ちゃんは何にも分かっていない。本当に。

