「あぁ、別に構わないよ」
そう佐賀くんに冷たく言い放った颯ちゃんは、わたしの腕を強く掴むと早足で教室を出た。
「ちょっ、ちょっと颯ちゃん！！」
「…なに？」
颯ちゃんの声が低く不機嫌な気がするのは気のせいだろうか。
「佐賀くんにあんな態度悪いよ」
「………」
強く掴まれた腕。
こちらを振り返ってくれない颯ちゃん。
「……どうしたの？急に」
「別に、美鈴はなにも心配しなくていいんだよ」
……また、その言葉……っ！！
颯ちゃんはわたしが深く踏み込むと、何かとその言葉で片付けようとしていた。
まるで颯ちゃんから線引きされているような気がして……。
「っ、颯ちゃん！！」
痛いくらいに掴まれていた腕を振りほどくと、彼はやっとこちらを振り返った。
