普段からは考えられない男の口調に目を見張る少女。
「やっぱりそれが本性なんですね。それを知ったら美鈴はきっと───」
「おい、いい加減にしろよ。さっきから美鈴を知ったかのように話すのやめてくんねーかな。
その喉潰してしまいたくなるからよ」
少女は大袈裟に肩を震わせたかと思えば、堰を切ったかのように体全体が震えだした。
「……大人しくなったな」
満足そうに目を細めると、男は薄暗いドアへ向かい重たそうにそれを開けた。
廊下からの眩い光に少女は思わず睫毛を伏せる。
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