「……なんのことですか」



「君のクラスメートから話は聞いてるんだ。とぼけたって無駄だ。
美鈴が僕に対して不信感を持つようなことを言うのはやめてくれないかな」



「……事実じゃないですか」



「君が何を知っていてそう言うのかは分からないけど、あんまり出しゃばるようなことすると いくら美鈴の友達とはいえ容赦しないよ。
美鈴の害悪になるものは排除しなければならないからね」



「……っ!」





男は声色を1オクターブほど低くし、顔を歪める少女を見据える。





「そこに美鈴の意思はないじゃないですか…」





何を言っても食い下がる少女に男は握る拳に力を込めた。





「…………はぁ。本当に低脳な女だな。
……お前が美鈴に “自分の意見” で恐怖心を煽るようなことを言ったら美鈴の意思もクソもねーだろ」