「で、話ってなんですか」





怯えを顔に貼り付けた少女は、目の前で不敵な笑みを浮かべる男を睨みあげた。



あまり使われていない教室らしく全体的に埃っぽい。





「せっかちだなぁ、君は。まあでも、美鈴を待たせているから端的に話すよ」





男はくつくつと喉を鳴らし笑うが、瞳は冷酷なほど冷たく先ほどの美鈴の前での態度とはほど遠い。





「美鈴に変な入れ知恵をするのはやめてくれないかな?」





やはりそうきたか、と少女は顔を引きつらせた。