さっきから颯ちゃんと綾香ちゃんは、わたしを子供かなにかだと勘違いでもしているのだろうか。



2人から頭を撫でられて気分が良くなっているのは認めるけど、あまりの頻度に思わずため息をついた。



校舎の外からは部活動中の生徒の声が飛び交っている。



窓から漏れるオレンジの光に、思わず目を細めた。



どうしよう。なにもすることがないな。



意味もなく教室を動き回る。



そうしていると、窓際の席のひきだしに所狭しと置かれている物が目に留まった。



それと同時にキュッとシューズの擦れる音が耳に届き、反射的に後ろを振り向いた。





「……あれ、小泉?」