毛布から出た手を、そっと握る。 しなやかで指が長いけど、男性らしく大きくてしっかりした手。 ……やっぱり温かい。 最初に使用人にすると決めてくださった時と同じ温度。 それは不思議と落ち着けた。 先生に抱きしめてもらった時と同じ安心感。 なんだか心地良い…… 段々と瞼が重くなってきた。 ぅ、なんか……眠……く…… い、いや、時流様のお手を煩わせるわけには…… でも……うぅ。 睡魔に白旗を上げ、私は夢の世界へと堕ちた。