死神執事と、トラブルメーカーな私の話

ハロスが背中を向けて歩いていくのを見て、哨は近くの椅子に座った。


「・・・・・・ふう」


なんとなく、軽く息をつく。

ようやく座ることができ、足への負担が減ったおかげで昨日の傷の痛みが和らぐ。

ハロスにはああ言ったがもちろん嘘だ。傷は痛む。痛むが大丈夫かと問われれば大丈夫だと答えられる痛みだ。過去の痛みに比べると耐えられないほどではない。

哨の目の前では、ちょうど今宵初のダンスが繰り広げられている。

男女が自由にペアを組み踊るこのダンスでは、一部では恋人を作るきっかけとして扱われている。これをきっかけに付き合うか、お断りされるか、もしくは最初から付き合っているかだ。

時にはふざけた男子同士が組んで踊ることもある。


目の前で色とりどりのドレスが舞う光景を眺めながら、「綺麗ね」と、一人呟く。