お父さんが言いたいことは、それこそありふれた表現だけど、痛いほどわかるよ。 お母さんだって、『別れたの、長谷川くんと』という私の淡白な言葉に、言葉でこそ納得していたけど、本当は真実が知りたいはずだった。 そんなこと、わかってた。 中学生はまだ子どもだってよく言うけど、中学生はちゃんと年齢なりに、周りがよく見えてるし、大人な考え方もできるから。 本当は、お父さんはひとつも悪いことをしてないのに、八つ当たりなのに。 お父さんは翌朝、たったひと言だけ『ごめんな』って謝ってくれた。