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次の日。大人になると筋肉痛は遅れてやってくると言うけど、しっかり俺は筋肉痛になっていた。
そしてまた息を切らせてあの坂道にいる。
「また迷惑をかけてしまって……」
俺の背中で八重が言う。
「き、気にすんじゃねーよ」
この会話、昨日もした気がするのは気のせいか?
また八重を背負うことになったのはやっぱり小鞠のせい。依頼の件でまた八重の家を訪ねた俺たちは麦茶をもらって一息ついていた。
そこでまた着物姿の八重が『そういえば帯留めが見当たらないんだけど……』と言い出した。
『また幽霊の仕業かしら?』なんて、八重は困った顔をした。すると小鞠がここで余計なひと言。
『昨日転んだ時に落としたんじゃないですか?』と。
そうなれば確認しに行くに決まっている。
しかも八重の足はまだ治ってないから結局俺がこうして運ぶことになってしまったのだ。
そもそも神社に行くだけなら八重を連れていかずに俺たちで帯留めを探せばいいんじゃねーの?
それで見つけたら家に届けてあげれば済む話だ。
「八重さんはいつも着物なんですか?」
「昔からそうなの。もう着ないと落ち着かなくて」
「素敵ですねー」
背中越しで聞こえる小鞠と八重の会話。
俺は言いかけた言葉を飲み込んで、その楽しそうな声を聞きながら一歩一歩、神社へと足を進めた。



