心ときみの物語


「もうあれから4年が経ったんだね。私なんていつの間にか25歳になっちゃったよ」

心春もきっとあの日のことを思い出していたんだろう。その顔は寂しさを隠せていない。


「私ね、大学卒業とともに就職先の関係でこの街を離れたの」

「知ってるよ」

「え……?」

不思議そうな顔をする心春に「知ってる」と俺は繰り返した。

俺が死んで、大学の講義なんて受けられる状況じゃなかったのに周りの支えもあってなんとか卒業して、そういう姿を俺は遠くから見ていた。

心配だった、ものすごく。

自分は強いと言い聞かせて、前を向いて。だけど本当は毎日俺を思い出すたびに泣いて。

それを見て俺はずっと後悔ばかり。

なんで別れなかったんだろうって。なんで突き放してやれなかったんだろうって同じことばかりを考えてた。


「見られてたなんて恥ずかしいな。弱虫なことがバレちゃうね」

「お前はずっと弱虫だよ」

俺がそう言うと心春の瞳が潤んでいく。


「だから知ってるよ。お前が俺のところに行きたいって何度も外に飛び出したこととかさ」

本当にいい加減にしろって感じだよ。そんなに死ぬっていいことじゃねーよ。だから自分から選ぼうとするなって心春を見て何度も説教したっけ。