2年が経った。経ったけれど、まだお互いに前に進めていないことは事実。
「エニシさまはいまだに貴方のことを想い続ける心春さまのためなのか、そんな心春さまを見ているのがツラいからと、自分のためなのかどっちなのです?」
小鞠の言葉に一瞬固まって、そして嘘偽りなく答えた。
「カッコよく心春のためって言えたらいいんだけどな」
「………」
「あいつのためだったらこの2年間、どんな方法でもここに連れてくる手段をしたよ。でも俺はそんな人間じゃねーから。だから唯一の良心として、縁切りなんて役目をやりながら心春を待っていたんだ」
俺と心春の縁はまるで今にも引きちぎれそうな綱のようにボロボロだ。それを離さないと手が痛くなるまで握っているのは心春。
だけどそうさせてしまったのは俺の責任だ。
「心春さまが依頼をしにきてどう思いました?」
「そりゃ、ホッとしたよ。心春だって死んだ人間のことをいつまでも考えてるのはしんどいし、
ようやく決心がついて……」
「そうですか?私にはエニシさまが忘れてほしいと、忘れてほしくないの真ん中にいるような気がしますけどね。それでちょっとだけ忘れてほしくないが強かったから、いつか来てくれればいいと願いながら待っていた。違いますか?」
小鞠が俺を強い目で見るから、それ以上に強い目で返した。
「随分わかったように言ってくれるな」
少し不機嫌になりながらお茶を一気に飲み干す。
「だって心春さまがいらした時のエニシさま。
ホッとしたっていうより、寂しいって顔してましたよ」
ドクンと、また臆病な音がした。



