そんな日々が続いて、俺の体に異変が起きたのは大学3年の暑い夏のことだった。
数か月前から体のだるさと慢性的な頭痛に悩まされていた。だけど熱があるわけじゃないし、その体調不良は毎日じゃなかったから季節の変わり目だからだろうと、放置していた。
そして今日。激しい頭の痛みと吐き気でそのまま意識を失った。しかも心春と一緒にいる時に。
「……縁!大丈夫?」
目を覚ますとすぐに心春の顔が見えた。
まだ朦朧とする意識の中で、この消毒液のような匂いとひんやりとする白いベッドでここは病院だと、うっすら理解した。
「映画を見終わって外に出た瞬間に倒れちゃったんだよ」
心春は涙目になっていたけど、まだ上手く喋れない。
映画の内容はぼんやりと覚えている。心春が見たがっていた漫画が原作のラブストーリー。でも主人公はどっちと結ばれたのか、どうやって病院に運ばれたのか記憶がない。
「軽い熱中症かもしれないって先生が……。一応縁のお母さんと連絡が取れたからすぐに来ると思う」
母ちゃんを呼ぶなんて大げさだなあ、と思いつつも、その日は念のため入院して明日詳しい検査をすることになった。



