心ときみの物語


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それから俺たちはいつも一緒にいた。心春は徐々に友達が増えていって昼食は別々に食べようと約束していたけど、それ以外の時間は飽きないのかってぐらい、同じ時間を過ごしていた。


「ねえ、この前のお礼ちゃんと言っておいてね。お土産でくれた九州のお菓子おいしかったって伝えてね」

「ああ、あの賞味期限ギリギリで母ちゃんに無理やり持たされたやつか」

「ちょっと!」

心春が俺の背中をバシッと叩く。

先週の日曜日に心春が俺の家に遊びにきた。遊びにといっても高嶺神社に行った流れで家に寄って、いきなり女の子が来たからそれはもう母ちゃんは大慌て。

すぐに帰るからって言ってるのに、これも食べなさい、あれも食べなさいと俺の部屋まで運んでくる始末。終いには九州旅行に行った時のお土産まで心春に持たせるし。

俺のほうが気を遣って疲れたって感じ。


「お母さん明るくてすごく気さくな人だよね。
お父さんには会えなかったけどよろしく言っておいてね」

「あーはいはい」

「それと今度うちにも遊びにきて。面白いものとかなにもないけど」

「はは、そんなの期待してねーよ」

心春は今まで付き合った人と比べると全然違うタイプで。俺のことを知る人が見たら100人中全員が「えー意外」と口を揃えて言うと思う。

清楚だし品があるし、服装もふわふわとしているワンピースが多い。

自分とは合わないと敬遠してたタイプの女の子なのに、心春といると毎日が楽しくて。こんな感情を抱いている自分にビックリするぐらい。