拓海の方を見ると璃玖と呼ばれる男を安全な場所に避難させているようだ




俺も拓海の後に続いて葵を安全な場所に避難させるために歩き出した




だが




「おい。貴様どこへ行く」




後ろから怒りを含んだ声が聞こえ、
俺は足を止めた




こいつがいることをすっかり忘れていた




「なんか用?狸の大将さん?」




俺は振り返りそいつの顔をじっとみる




「何の用はこっちのセリフだ。
今からその女と狐を殺すところだったんだが?お楽しみの邪魔をしないでくれるか?」





よほど怒っているのかその手からはフツフツと火が燃え上がっている