きっと何も関係ない子を誘拐してきたことに 相当怒っているのだろう 「すみません…」 俺はグッと拳を握りしめた 俺は知らなかったんだ。 この女の治癒能力は傷を治すのではなく 人の傷を自分に移し替えるものだという事を。 「とりあえずこの子は東京に返す」 璃玖様はそう言った せっかく…探して… せっかく… やっと璃玖様のお力になれると思ったのに… 「はい…」 俺は悔しい思いをグッと抑えてそう言った