「……あいつ、マジ大丈夫か?」

石田さんは自分の頭を指差しながら私と桃川さんを見てきます。

「あー、ヤバイですよね。
 だって、こないだタケとオレに
『オレ、宇宙人に連れ去られたことあるんだよね』
 って言ってましたもん。
 しかもめっちゃ真剣なカオで、
『ここだけのハナシにしてね』って」

桃川さんも半笑いで言いました。

だけど、ここだけのハナシって言ってたのに、
バラしちゃって大丈夫なんでしょうか。

でもやっぱり、そんなハナシをするなんてビックリですよね!


「遠藤さんってホント不思議ですよね~」

あわわ!

思わず心の声がもれちゃいました。

口元を両手でおさえて桃川さんを見ると、
桃川さんがニッて笑ってくれました。
へへ。

「でも、ヨッパもあんま変わんねぇと思うけどな」

なぬ!?

石田さん、ニヤッと笑いました!

「え~!ひどくないですか~」

「え~!ひどくないですか~」

ぎゃっ!

石田さんがまたまたまた私のマネをしてきました!

「またー!」

「またー!」

「やめてください!」

「やめてください!」

「石田さんのバカ~!」

プンプンです、プンプン!


「モモ、このバカ女なんとかしろー」

ムッカ~!

人のことをバカですと!

地団駄踏んじゃいますよ!
ダンダン、ダンダン。

フンガーーーー!


「バカじゃないです!」

「オレはちょっとおバカな真由ちゃんだって全然好きだよ?」

ぎゃあああああああああ。
桃川さんは抱きついてきました!

死ぬ!死ぬ!死ぬ!

キュン死です!

「ハイハイ」

あきれたようにそう言い捨てると、
石田さんは「バカップルは相手にできねぇな」って言いながら道路を横断し始めました……。