「なにからすればいいですか?」

「あ、いいよー。真由ちゃんも座ってて~」

そう言いながらさっそく桃川さんはお米を研ぐ準備に取り掛かっています。

「え?」

「うん、座ってて。今日はくつろいでていいよー。
 出来るの楽しみに待ってて」

着々と準備をすすめていく桃川さん。

確かに、ウチのキッチンはせまいですし、
私がお手伝いなんかしたらかえって足手まといかもしれません。
でも……。

「いいのいいの。真由ちゃんはここの主なんだし、
 それに今日はオレの手料理食べてほしいから」

そして、顔を近づけて、
「その代わり、今度真由ちゃんの手料理食べさせてね」
って耳元でささやかれてしまいました!

ぎゃああああああ。
耳元でささやくのってホント禁止です!

「ねっ?」

ニコニコしながら同意を求められました。

もう!もう!もう!

私が動揺するのをわかっててあえてやってるに違いありませんよね!

「あ……、はい」

はうううう。
心臓に悪いです、まったく。

カレーライスでいいでしょうか……?

はっ!

いけませんね。
お礼なのですから、そんな手抜きじゃいけませんよね!

ちゃ~んと桃川さんが食べたいモノ、
今度特訓しなくちゃいけませんね。

よし、がんばろうっと。

お料理苦手ですけど、
感謝の気持ちをこめて今度手料理を振る舞うのです!

今日はいいところ見せられなかったので、
次回は石田さんやコイケンさんからも「すげぇじゃん!」って言ってもらえるようなモノを作ります!

よ~しがんばるぞ~!