「じゃあ、君!はいっ!」

チャラ男さんがビラを差し出してきました。

もらわないのもなんとなく悪いので、受け取ることにします。


「映画見たりする?」

おお!?

チャラ男さんが私の目をしっかり見て言います。

意外とチャラくない人なのかな?

はぅ。
けっこうイケメンのお兄さんだし、男の人からじっと見られると、めちゃめちゃテレますね。

はっ!

好みとかではないですよぉ!!

……でも、かっこいいとは思います(ゴニョゴニョ)。


「はい、たまに…」


「映画?」

ありゃ?

ありさちゃん興味を示しました。
スマホをいじってる手を止めて、チャラ男さんを見てます。

「おっ!君も興味ある!?」

ぱぁ~っと明るい表情になりました、チャラ男さん。

「うん、好きだよ。“七人の侍”とか」

ありさちゃんは平然と答えてますが。
七人の侍って昔の映画だよね?

そんな古い映画もありさちゃんは観るのかぁ。
意外だな!

そういえば、そもそも西洋史なんてのも勉強もしそうにないしなぁ。

すごいギャップのある人だなぁ。


「うわっ!渋いね~」

やっぱりチャラ男さんも驚いてます。

「あれはマジかっこいい。今の邦画には、あれに勝るかっこよさないっすよ」

おお!
ありさちゃん力説中です。

ありさちゃんってすごいなぁ。