親は昔から仕事で遠くに行くことが多かった
その時も県外に出張に行っていて
家にいたのは湊と俺だけだった

「桜姉、遅いね」
「そうだな」

いつもは6時前までに帰ってくる桜が
6時半を過ぎても帰ってこない
しかも外は地面を叩きつけるような
土砂降りの雨だ

「桜姉、風邪ひいちゃうよね」
昔から体が弱い桜はよく熱を出していたから
時間が経つ度に不安がよぎる

____________チクッタクッ、チクッタクッ、
我慢出来ない
「探しに行くか……」
「俺も行く!」
「湊は待っとけ」
「俺だって桜姉が心配だから!」
こういう時の湊は絶対に譲らない
まだ小学生の湊を連れていくのは気が
引けたが家に1人で置いていくのも心配だった

「じゃあ傘もったか?」
「うん!」

まず、俺達は桜の友人の家に向かった
だけどどの家に行っても友人は知らないと
言う

そして最終手段として学校へ向かった