混乱して固まったわたしに、ひどく赤いゆでダコみたいな顔で目を泳がせたそうちゃんが、そっと。


「だから」


つまり、その。


「…………みいが。みいが、大事だからだよ」

「っ」


いつものように語尾にだよ、をつけたそうちゃんは。


そんなすごいことを、唸るみたいにぽつりとこぼした。


「友達と幼なじみは違うし……幼なじみと彼女も、ちょっと違うから」


うつむきがちに目を泳がせていたそうちゃんは、こちらを向き直して顔を上げ、赤い顔でわたしを見つめて。


みいを大事にしたいからだよ、と嗄れた声でもう一度言った。


……ああもう。


本当に、わたしの幼なじみは。

彼氏は。


もう本当に。


……本当に。


大事にしたい、に直す細やかさがやっぱり好きだ。