「今日さ、同期で久々飲まね?」

「ごめん」

仲間の楽しい誘いも即答でノー。

今日は週に一度のノー残業デー。
今までの僕だったら迷わずイエス。

だけど、今は違う。
家にはリサが僕の帰りを待ってくれているんだ。

あー、出社したばかりだってのに、もう帰りたい。
リサに会いたい!


「なぁ、もしかして彼女できたのかよ」

鹿毛がニヤニヤしながらきいてくる。

「まぁな」

「マジか~。どこで知り合ったんだよ!」

「ウチの近くのコンビニ」

「は?ナンパかよ」

「どうとでも言え」

「どんなコ?」

「甘えん坊で色が白くて目が大きくてスタイルがよくて、毎朝僕を起こしてくれる完璧な彼女」

「うっわぁ!どんだけノロケてんだよ。てか、もう一緒に住んでんのかよ」

「うん」

「いいなぁ、俺も同棲してぇ。つっても、そんな彼女もいねぇしな。ハハ」

鹿毛は自虐的に笑った。