【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





いつもはお母さんもお父さんもいるから大丈夫なのに。
なんでこんな日に限って……っ?


そうか…、自業自得だ。
斗樹にあんな酷いこと言ったからバチが当たったんだ。


斗樹にはなんか意地張っちゃって、強がって……ほんとはもっと伝えたいことはたくさんあったりするのに。


斗樹は素直に伝えてくれているのにその気持ちを踏みにじったんだもん。



「ハハッ…、私最低じゃん…っ」



ザーザーと一向に降り止まない雨が家の屋根に降り落ちて、バチバチと音を立てる。


しんみりとした真っ暗な中ぼそりと呟いた。
それは雨の音でかき消されてさらに虚しさが増す。


斗樹に謝らなきゃ……
無意識にそう思った。
いつも喧嘩とかして謝るのは斗樹からだった。


でも、今回ばかりは私が悪い。
こんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま炭谷くんとなんて付き合えない。


ちゃんと謝って、スッキリしたら私は炭谷くんと付き合うんだ。



手に持っていたスマホを操作して【斗樹】と書かれたボタンを押し、電話を掛けた。



───…プルルルップルルルッ



『はい』



わずか2コールほどで電話に出た斗樹。
まさかそんなに早くに出てくれるなんて思ってなくて、むしろ無視されるんじゃないかって思ってた。

だから、予想もしなかったことに戸惑う。



「あ、あのさ……さっきはごめ…キャッ!」



せっかく謝ろうと言葉を発したのにタイミング悪く近くでカミナリが落ちた音がして、再び恐怖が襲ってくる。