【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





言ってすぐに後悔した。
間違ってもこんなこと言っちゃいけなかった。


でも、もう後には引き下がれない。
言いすぎてしまった、とは思ったけど今更素直に『ごめん』なんて言えなくて、気まずい雰囲気から逃げ出したくて教室を飛び出した。



いくらムカついてたからって……『斗樹の恋は終わり』なんて言っちゃダメだった。
ポジティブでバカで明るい斗樹もそんなこと言われてショックを受けないわけがない。



てか、さっき顔にもろ出てたし。


はぁ…ほんと私ってばなんであんなこと…今更悔やんでも仕方ないのに後悔は消えてくれない。



そんな後悔の中、私は全ての授業を終えて家へと帰った。
今日、うちの親は仕事で明日の朝まで帰ってこない。



別に寂しいとかそんなんじゃないけど問題が一つ。


それはというと、私が帰宅してすぐ雨が降り出したということ。
しかも、パラパラと降る可愛い小雨なんがじゃなくて、ザーザーと叩きつけるように降るゲリラ豪雨だ。



ということは、そのうち私が大嫌いなあの音もなるということになる。
ど、どうしよう…今日は二人とも帰りが遅いし、一人であんな大きな音を聞いてるなんて無理だよ。



そんなこと思っていたら、薄気味悪い黒い空が一瞬ピカッ!と光った。


う、うそ…!!やだやだっ…!やめて…!
私は自分の部屋の隅で耳を塞いで誰かに連絡できるように念のためスマホを手に持って体を丸めた。


そして、その数秒後ゴロゴロゴロッ!とけたたましい音が部屋に鳴り響いた。



「キャッ!」



こ、怖いよ……カミナリは一番嫌い。
小さい頃にカミナリが一度目の前に落ちてきてからというもの、私はカミナリが怖くて怖くて仕方ないのだ。