「榊原さん、おはよう」


「あ、お…おはよう」


突然後ろから声をかけてきたのは炭谷くん。
朝から爽やかスマイルを浮かべているところが炭谷くんらしい。


制服も着崩さずにきっちりと校則を守って着ている。


第一ボタンを開けてネクタイは緩々、耳にはたくさんのピアス、髪の毛は茶髪の校則を破りまくりの斗樹とはまるで違う。



なぜ、炭谷くんを好きなのか…と聞かれたら
なんと答えたらいいのか正直わからない。



何故か、惹かれて気になる存在になっていた。



「今日は幼なじみくんはいないんだね」


「あっ…昨日はごめんなさい」



そういえば、昨日、斗樹が炭谷くんにすごく失礼な態度を取っていたことをフッと思い出した。



「いいよ。気にしないで。
というか、榊原さんは何も悪くないから」



「ううん。私がもっと斗樹にきつく言っておけば…」



「彼と幼なじみでいいことある?」


「え?」



突然の質問に私は驚きを隠せず、声を出してしまった。
だって、まさかそんなこと聞かれるなんて思ってもなかったから。