【完】お前のこと、好きすぎてやばい。










それから、学校に着いて“2-A”と書かれた教室に
二人して入り、彼と別れて自分の席に腰を下ろす。



実は私たち、同じクラスになるのは三回目。



ほぼ毎回クラスが違うくてホッとしていたのに修学旅行のある年に限って同じクラスになるなんて……。



斗樹とは小学校六年生のときも同じクラスになったことがあって、一年間ほんとに大変だった。



だって、何かあるとすぐに私に頼んでくるんだもん。



「はぁ…」



朝から斗樹のせいでエネルギーを使い、深く重いため息をこぼす。


私を疲れさせた張本人は仲のいい男子グループの中心でおちゃらけて楽しそうに笑っている。


あんたのせいでこっちは疲れてんのよ。


そんなことを思いながら、机の上に頬杖をついて窓の外を見つめる。


親友の富田來未(とみた くみ)とはクラスが離れてしまい、何でも話せる友達はこの教室にはいない。



「なぁ、英語の宿題した?」



ふと、聞き覚えのある声が聞こえてきたけど私はそちらを向かず視線は窓の外へ向けたまま。


振り向いたっていいことがないのはもう分かりきっているから。