そんなことを考えながらチラッと隣のミナを盗み見れば、余程俺に気を許しているのか、


それともただ興味が無いからなのか髪を上の方でまとめていて、うなじが丸見えのTシャツを着ている。


雪のように白くて、キスマークをつければ綺麗に赤くマークが付きそうな…魅力的なうなじに俺は勉強そっちのけでつい見とれてしまう。



「ねえ…」


「……」


「ねぇってば!」


「…ん?」



呼ばれていることに気づかなかった。
ミナの横顔があまりに綺麗で、そのうなじに吸い付きてえ…なんて考えてた。



「そんなに見ないでよ、気が散る。
あと、斗樹のテキスト一問も進んでない」


「まあまあ、そう怒るなって。このチョコやるから」



冷静さを取り戻すためにミナのうなじを見ないようにして持ってきたチョコレートをミナの口に入れた。


それだけで少し顔が赤くなるミナ。
そんな顔は誰にだってする、男慣れしてないから。


決して、俺だけの…特権ではない。



「ん〜、おいしっ。
また今度炭谷くんにも教えてあげよ〜」



ミナは美味しそうに頬を緩めながら聞きたくもなかった名前も出した。


は?なんで炭谷?
そんなにお前の頭の中はアイツでいっぱいなわけ?


俺が隣にいるのに、その俺のことは見ないでなんでアイツばっかりなわけ?


ふざけんなよ。俺だって……必死なんだからさ。



「なんで炭谷?」



俺が不機嫌そうにそう尋ねても何食わぬ顔で「だって、炭谷くんがチョコ好きだって聞いたから〜」なんて言いやがった。