【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





ただ、ミナが好きなのは俺じゃない。
知らぬ間に現れた俺からしたら厄介なだけでしかないやつ、炭谷。



爽やかで優しくて、俺とはまるで真逆のタイプだ。
そんなやつのことがミナは好きなのに真逆の俺が好きになってもらえるわけがないのにな。



やっぱり、簡単に諦めることなんてできないんだ。


そんな気持ちと葛藤してたら、ミナが『一緒に帰らない?』なんて遠慮がちに聞いてくるから…そんなこと今までなくて、心の中でガッツポーズしてたぐらい嬉しかった。



そして、調子に乗って“テスト勉強しよう”なんて言ってた。



あ…でもこれってチャンスだよな?
炭谷から俺を好きにさせる最大のチャンスかもしれない。



目の前にあるチャンスは活かすのみ。
ポジティブになんでも考えないといい方向になんて進めない、というのが俺の考え方。



こんな事ミナに言ったらどうせまた笑われるか呆れられるんだろうけど。



そんなこと思いながら自分の部屋の窓をガラガラッと開けて、ベランダに出てミナの家のベランダに乗り移る。



そして、コンコンッと窓を叩くとシャッと水色のカーテンが開いて眉をひそめたミナが現れた。