【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「だって、斗樹といたらテスト勉強なんて絶対しないで終わるのがオチだもん」



きっと、するとしても数十分…いや、数分かもしれない。

とにかく、ほんとに勉強なんてみじんもしないと思う。


こっちはちゃんとテスト勉強したいって言うのにさ。
せっかくの勉強できる時間を斗樹のために潰すなんて……屈辱敵だ。



「まあまあ、そう言わずに」



ほんとにこういう能天気なところがイラッとする。
いいと思うときもあるけど、悪く思うとさきの方が多い。



「帰って五分以内に来ないと家に入れないからね」


「はいよ」


「あと、チョコも忘れないでよ。絶対に」



チョコレート目当てでしてあげるんだから
それを忘れられちゃ、溜まったもんじゃない。


“絶対に”と念押しして言うと、隣からクスクスと小さく笑う声が聞こえてきて不審に思って見てみると斗樹が肩を震わせて笑っていた。



「何笑ってんの?変なの」



今の私の言葉の中のどこに笑うところがあったの?

それとも、他のことで笑ってる?
たとえば思い出し笑いとか。



「いや、ただ食いじ張ってんなーと思って」



クスクスという小さな笑いからゲラゲラと大きな笑い声に変わった。


ほんとに失礼極まりないやつだ。
私は別にそんなつもりで言ったわけじゃないのに。