「あ、そうだ。ミナの家でテスト勉強しよーぜ」
「やだ」
なんで私が彼氏でもないあんたと一緒にテスト勉強しなきゃならないのよ。
しかも、超々バカなのに。
「即答とかウケる。
ミナの家が嫌なら俺の家でもいいから」
「それもやだ」
だって、斗樹の部屋汚いもん。
色んなものが散らかっててテスト勉強どころじゃなくてただ斗樹の部屋を掃除をするハメになるなんてことはもう目に見えている。
「準備できたらミナの家行く。
お前の好きなチョコレートも持っていってやるから」
やだって言ってるのに来る気満々じゃん。
それに……
「……食べ物出すとかせこい」
私の大好きなチョコレートは
人気商品でたまにしか手に入らない。
それを知ってて言ってくるなんて卑怯なやつだ。
「それぐらいしないとお前OKしてくれねぇもん」
ハハッと短く笑う斗樹とは反対に私は険しい顔つき。
今日は何回斗樹の思うツボになればいいの?
そんなのムカつくんですけど。
両親は仕事でいないし、一人っ子だから斗樹と二人きりになるし。



