「あ、え、…は…「わりぃけど、コイツは俺と帰るから」
一緒に帰りましょう、と言おうとしたときに私の言葉を遮るようにして割り込んできた声。
こんなことするやつなんて…一人しかいない。
私は声のした方をギロリと鋭く睨む。
睨まれていることに気づいているくせに平然とした顔で…むしろ、得意げな顔している。
「なんで?白崎には関係ないだろ」
「そうだよ、斗樹には…「うるせぇな。俺がコイツと帰りたいから別にいいんだよ」
炭谷くんが反論したことによって、さっきの得意げな顔が一瞬にして、心底不機嫌そうな表情へと変わる。
それにまたしても私の言葉に被せて言ってきた斗樹。
もしかして、わざと私に話させないようにしてる?
「そんなの理由になってねぇよ」
「はぁ?れっきとした理由だろ?
俺がミナと帰りたいから。それ以外の理由はない」
あまりにもそれが当たり前かのように
涼しい顔で言うから少し呆れてしまう。
まあ、そういうところも斗樹らしいけどね。



