ほんと、バカなんじゃないの?


なんで?
私はあれだけ行かないって言ったのに……どうしているのよ。



自然に体が公園の中に入っていて、鉄棒にもたれながら立っている彼の純粋な瞳とバチッ、と目が合う。



「やっと来た。お前寝坊しすぎじゃね?

どうせ、緊張し過ぎて二度寝してたんだろ?」



そう言って呆れながらも駆け足で私の方へと向かって来てくれる。



「私、行かないって言ったよね?」



なんで、なんで斗樹は最低なことをした私のこと怒らないの?


そう、斗樹は今までずっとここで私のことを待っててくれてたんだ。




「でも、来たじゃん。別にそれでいいよ」



安堵の笑みを浮かべている斗樹。

そんなバカすぎる斗樹にいつもなら呆れているのに今日は何だか心がムズムズする。


こんなにも斗樹って優しかったっけ……?



「そ、それは……だって……」



なんて言えばいいのか分からなくて言葉を詰まらせていると、斗樹がそんな私を無視して



「つーか、なかなか来ねぇから心配したし。

どっかで事故にでもあってんじゃねぇかと思ったら気が気じゃなかったけど無事でよかった。」



そんなこと言いながら、斗樹は頬にえくぼを作り、柔らかく優しく笑う。