「痛い…!何すんのよ…!!」



パッ、と斗樹の方を見るとにんまりと不敵の笑みを浮かべ私を見ている。



「ムカついたからついつい。わりぃわりぃ」



そんなこと言って謝罪の言葉を述べて入るけれど全く気持ちがこもってないみたいで見ているだけでもこっちがムカついてくる。



「こっちがムカつくし!!」



「はぁ?てか、まずお前が勝手に好きなヤツとか作ってんのが悪いんだ。自業自得だっつーの」



心底不機嫌そうに眉間にシワを寄せてイスに座っている私を仁王立ちして上から睨みつけてくる。



「私にだって恋する権利ぐらいある」



自分なんてめちゃくちゃ彼女作ってるくせに偉そうな事言っちゃって。



「お前はダメ。
あ、でも俺を好きになるならいいよ」



そしてまたニヤリ、と笑う斗樹は本当にムカつくし今すぐに飛び蹴りしてやりたい気分。



「ならないって言ってるでしょ!?」



「はいはい。
それは置いといて五文字の言葉を俺に言え」



まるで、お手をするように右手をスッと私の前に差し出してくる。



五文字…?



何がしたいの?
私はなんていえばいいの?