「別にお前にとやかく言おうなんて思ってねぇよ。
お前、昔から保健室とか病院とか嫌いだろ?
昼間でもお化けが出そうで怖いとか言って」
もしかして、私のこと思ってここにいてくれてるわけ?
ていうか、よくそんなむかーしの話し覚えてたね。
その話はまだ私が幼稚園の年長さんぐらいの時の話だよ?
あいにく、幼稚園の時の記憶はうっすらしかないからぼんやりとした思い出せないけど。
「お化けとか平気そうな顔して無理とか萌えるな」
ハハッ、と彼の短い笑い声が静かな保健室に響く。
コイツ……私のこと笑いやがって。
ちょっとでも、“斗樹が幼なじみでよかった”と思った私の気持ちを返せ、この野郎!
萌えるとかまたプレイボーイ発言してるし!
「誰にでもそういうこと言ってんでしょ。
そんなんで、私は騙されないから」
こんな俺様で最低なヤツに落ちてたまるか…!
「はぁ…お前ってさ、ほんと可愛くねぇな」
やっと救護箱と湿布を見つけたらしく私の前にある丸いイスにゆっくりと腰を下ろす。



